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    今月号の特集
    被災地へのメッセージ
    今月号の特集
    震災メッセージ・タイトル
    ◆投稿メッセージのご紹介
     
     
    ・関西からできること、元気の力 東北へ
    ~フローレンス・ナイチンゲールから学ぶこと~
    (独)国立病院機構 刀根山病院
    中山 環氏

     このたびの東日本大震災により被災されました皆様に謹んで心よりお見舞い申し上げます。被災地の1日も早い復興と皆さまのご健康をお祈り申し上げます。
    千年に一度という大震災と津波。あまりにも過酷な試練に、人間の無力を思わずにはおれません。今、何ともじれったい思いでいっぱいです。
    亀田総合病院、小野沢医師からの報告、「車のない多くの家庭でパンとおにぎりだけの生活が今も続いています。自宅避難者には配給がないため、避難所にいって期限切れの菓子パンとおにぎりをもらい、ほそぼそ食べている人が数多くいましたが、彼らの多くは食事は満足だというのです。これは、ただで貰って申し訳ない、という意味で満足なだけで、医師の立場からすると明らかにバランスの極めて悪い食事です」この関西の地で、東北の人々の惨事をただ思いやるだけの歯がゆい毎日が続いています。一日も早いライフラインの復旧と温かい食事の確保がなされることを祈るばかりです。
    「天使とは美しい花を撒き散らすものではなく、苦悩するもののために戦うものである」
    クリミア戦争で大活躍をされたナイチンゲールの言葉です。彼女の言葉は看護、そして医療者の仕事を本当によく表していると感じます。34歳のとき、彼女は38名のボランティアの女性を組織し、戦地に向かう。現地はたいへんひどい惨状。看護師たちは昼も夜も薬と包帯を持ってかけまわりました。なかでもナイチンゲールは、傷の重い兵士のところへまるで魔法使いのように現れ、母親のようなやさしい言葉をかけてやりました。寝静まったあとも、たった一人で、ランプをかかげて広い病室をまわりました。汚物の処理から始まり、掃除、洗濯、温かい食事、身体の清潔、新鮮な空気の入れ替えなど休む間もない日々の連続。ここでの活躍が世界的に評価されたのは、不衛生の改善により負傷者達の死亡率が42.7%から2.2%まで引き下げられた点です。この時、彼女はチームのやり方を軍の首脳部に納得させるために、発明した統計グラフを使用しました。これは当時としては非常に独創的なものでした。単なる数字ではなく視覚に訴えるものの説得力は強く、彼女の考案したグラフの様式は今でも使われているそうです。また生誕の日は「看護の日」として我々の記憶にあります。
     不屈の精神をもち、大変厳しい姿勢で病める人達のために自分の信念を貫きとおした女性。時に統計学者として、多くの医療現場の環境改善を果たした女性。実践家として、病む人の前に立ってこそ見えてくるものがあります。また、人々の役に立ちたいと考える理想の高い人はかなり頑固でないと務まらないようです。頑固さはその向かう方向さえ間違っていなければかなりの力になります。この向かう方向が定まらない人が多いのではないでしょうか。しかし、それは自分で発見するしかありません。今の栄養士業務に当てはまるものが多いのかもしれません。
     今、栄養士である私たちにできることは何なのか? 東北の栄養士の皆さま、困っていること、現場の声をぜひとも挙げていただきたいと思います。それぞれが知恵を出し合って、できることからはじめたいと思います。そして限られたお金は本当に大切な場所に、現場で働くもののために、そして苦しみながらも一生懸命に生きている人のために使っていただきたいものです。
    今こそ、総力を挙げて活力を取り戻したい。沈滞ムードに浸っている場合ではありません。関西が元気になってその力を東北に届けるのです。

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    ◆リンク
     
     
    ・日本赤十字社 「東北関東大震災」  

     http://www.jrc.or.jp/l2/Vcms2_00002082.html