ここで注意しておきたいのが、2009年(平成21年)には「介護報酬改正」が行われ、 介護報酬におけるヘルパー2級資格者配置に対する「減算」もしくは「廃止」の検討の可能性があるということです。 介護事業所としては「減算」もしくは「廃止」になっても運営に必要なスタッフ人数は確保しなければなりません。 しかも賃金を今までよりも極端に減らすわけにはいかず、ヘルパー2級を多く雇用すればするほど介護事業所にとって 不利益が生じてしまうという図式ができあがるのです。また、逆を言えば「減算」もしくは「廃止」があれば求職者側としても、 ヘルパー2級のみだと就職が不利になってきます。そこで基礎研修がさらに意味を持ってくるのです。 前段では、実務ルートでの介護福祉士への道が厳しくなることを予想しましたが、実務ルートであっても ヘルパー2級をとっていれば150時間で基礎研修を修了できることを考えると、介護福祉士を目指す、目指さないにかかわらず、 介護報酬改正の前後で基礎研修150時間受講のニーズが一気に高まることは想像にかたくありません。 しかし、ヘルパー2級でも1年間の実務を経験していなければ研修時間は350時間になってしまいますから、 このタイミング(施行1年前)からホームヘルパー2級の縮小が始まるのではないかと予想されるのです。 いずれにしても、ヘルパー2級資格で介護職についている方は、更なる研修を受講しスキルアップを図らなければ、 継続して介護業務に従事しにくくなる方向性になってきているのは間違いありません。何かのタイミングをきっかけに ニーズが一気にホームヘルパーから基礎研修に取ってかわることもありえます。そうなった場合、 ホームヘルパーを主軸としていた養成事業所が事業継続していくためには、多岐にわたる分野の講師がすぐに確保できるのか、 競合に負けないクォリティの高い研修が提供できるのか、それまでの実績を示せるのかなどが重要になってきます。 ですから、消極的な姿勢で様子見をきめこまず、今の時期から準備をしながら改正案のゆくえに注目して、 早め早めに対策を講じることが必要なのです。 改正案のゆくえを追う上で、チェックすべきポイントは以下の3つです。 [1] 現在行われている「通常国会」での審議に注目し、改正案が可決されるか否決されるか [2] 可決されたとしたら、いつから適用されるのか [3] 否決された場合も改正案の見直しに注目 [ BACK | NEXT ] |