基礎研修が介護職につくためだけでなく、介護職員全体のレベルをあげ介護福祉士を目指させる研修であるということは前段でお話しました。(「介護福祉士のあり方およびその養成プロセスの見直し等に関する検討会」において介護福祉士資格取得見直しが行われ、介護職員基礎研修はそのルートのひとつとして位置づけられています。) これによって、介護福祉士の受験資格を得るルートは一つ増えて、 ・福祉系の学校、養成施設を卒業する ・3年以上の実務経験を積む ・基礎研修を修了したのち2年の実務経験を積む となりました。 ただし、すでに介護現場で働いている方たちは、働きながら研修を受講するのは経済的にも、時間的にも負担になるので、「実務経験3年を積んで介護福祉士を受験する」いわゆる実務ルートを選ぶのがほとんどだと思われます。しかし近々、その実務ルートに基礎研修以上の大きな負担が加えられるかもしれないとしたらどうでしょう。 実際、介護職員にとってショッキングな改正案が通常国会で提出されようとしているのです。 ![]() この改正案は、今まで実務経験3年以上で自動的に介護福祉士受験資格が得られたものが、実務経験3年後に600時間の研修を受講し修了しなければ介護福祉士の受験資格が得られなくなるというものです(この600時間の研修は「通学で6ヶ月以上」「通信で1年以上」と補足説明されています。修了すれば介護福祉士の実技試験は免除されるというものです。)。 3年の実務が終わったら介護福祉士になろうと予定していた人たちにとってはまさに寝耳に水です。もし施行されれば、実務経験を積んだ上に、この600時間の研修を受けなければならない、あるいは介護福祉士養成校に入りなおし卒業しなければ介護福祉士受験資格を得られないということになります。 一方、実技試験の免除はないものの、介護職員基礎研修は500時間の研修を終えてから2年の実務経験で介護福祉士受験資格が得られるというわけです。 この改正案が通常国会で可決されれば、介護福祉士へのルートは福祉系高校も含め、下図のようになります。 ![]() では次に、この法案が近々可決されるとしたら、いつから施行になるかを予想してみましょう。 [ BACK | NEXT ] |