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   2月7日(日)、千葉県成田市で「地域の医療とメディカルツーリズム『成田医療ハブ構想』を考える」(主催:医療構想・千葉 後援:成田市)と題するシンポジウムが開催された。メディカルツーリズムの分野で日本はアジア各国に後れをとっている。海外から人を呼び込む手段として医療をどう結び付けるのか、関心は高い。
   このシンポジウムのなかで、中国ではメディカルツーリズムに新しい展開がなされているとの報告があった。海外の高齢者を呼び込み、ケアをする施設展開である。

  中国メディカルツーリズムの新たな展開

   溝尾朗医師(東京厚生年金病院、日本旅行医学会)は、メディカルツーリズムに詳しく、諸外国事情視察も豊富に経験している。講演のなかで、日本とアジア諸国の比較を簡潔に述べた。

   1951年にアメリカで発足した病院認定団体The Joint Commission(JC)が99年に国際部門として設立したJoint Commission International(JCI)がアジアでどのくらい認定しているかを紹介した。現在、世界では25ヵ国以上、125以上の認証病院が存在する。JCI認証を受けた病院は、世界ランキング入りしたと言えるハイレベルの病院と認められる。

   アジアでは、シンガポール16、インド15、タイ9、台湾9、マレーシア6、中国5、韓国2、インドネシア1、ベトナム1、UAE34施設。日本では昨年、亀田総合病院が初めて認証を受けた。メディカルツーリズムはグローバル化によって成り立つものである。現在の日本では、治療目的で訪日するケースは非常に少なく、検診が中心。かつては、日本でしか使えない薬を目的というケースもあったという。しかし、検診に訪れる数はまだまだ少ないという。

   瀬尾医師はインドのアポロ病院、タイのバンコク病院、シンガポールのラッフルズ病院、ドバイのアメリカ病院などの事例を紹介した。

   たとえばバンコク病院-08年の患者総数75万人、外国人患者数15万人(全体の20%)、日本人が25.8%で最も多いが、医療費ではアラブ人が多く、日本人との比較では5対1である。アラブの大金持ちが受診していることになる。病床数は420床(すべて個室)、医師数674人(常勤407人、非常勤267人)、欧米の医師免許保有者は約20%、日本の医師免許保有者は10人前後、看護師数650人、職員総数2,600人となっている。冠動脈造影は年間約1,000例、冠動脈大動脈バイパス手術は年間約250例だという。

   さらに、中国におけるメディカルツーリズムの新しい展開として、燕達国際健康城の取り組みを紹介した。

   北京から約30キロ、北京国際空港から約25キロの地に、広さ50万㎡で病院、高齢者施設が造られている。病院はJCI認証を受けている。病床数3,000床(医療2,000床、リハビリ1,000床)、高度医療機器も完備。高齢者施設は自立・半自立・非自立合わせて1万2,000床ある。自立はアパートメント、半自立・非自立はホテルで、全戸に温泉もついている。
   中国の人口は、2010年で13億6,000万人以上(60歳以上11.0%、65歳以上7.7%)、2050年には14億2,000万人以上(60歳以上31.1%)と推計されている。高齢者施設がどうしても必要となっているのである。
   毎月の利用料金は、4,200人民元(自立:66㎡)~1万6,800人民元(非自立:108㎡)。そのサービスについては言及がなかった。4,200人民元は日本円にして、およそ6万3,000円、1万6,800人民元はおよそ25万2,000円。中国人にとって高いのか安いのかわからないが、実は、アジア諸国から受け入れを意識しているようだ。お金持ち相手ではない。平均的な日本人はターゲットとなっているかもしれない。

   この事例は、介護の世界でのグローバル化の一端かもしれない。日本人の意識がグローバル化したら、中国のこうした高齢者施設に入居することが起こるのだろうか。何とも言えないが、将来逆に、日本の高齢者施設に海外から入所希望者がやってくる時代がくるのだろうか。日本の現実とは離れた話題ではあったが、そんな動きが起こっている。


 

バックナンバー
▼ 日本人高齢者は海外へ出ていくか?(2010.2)
▼ 介護経営マネジメントの重要性(2009.12)
▼ 第16回ヘルスリサーチフォーラム(2009.11)
▼ 「笑い」が「健康」に効果があることを実証研究(2009.10)
▼ 多職種連携へのパラダイムシフトを!!(2009.4)
▼ 出現を切望!!現代の坂本龍馬(2009.1)
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