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インタビュー&リポート-「笑い」が「健康」に効果があることを実証研究
 

   笑いの番組をつくり続けてきた名プロデューサーの澤田隆治氏が会長を務める 「笑いと健康学会」(http://lha.umin.jp/index.html)の第4回研究大会が、 10月18日(日)、順天堂大学有山登記念講堂で開催された。2005年に設立された同学会は、「自己治癒法である"笑いの活用" と"健康"の関係を科学的に解明」 していくことを目的としている。 これまで、糖尿病における笑いの治療効果の実験、自律神経と笑いの影響の実験の研究発表、実践編として深谷市や別府市での講演会、 世田谷区での笑いと健康名人会などを行い、笑いは健康にいいということを体験してもらったりしている。 本年度からは、認知症の進行に笑いがどのような影響を及ぼすかの調査実験がスタート。今回の研究大会は、以下のプログラムで実施された。

【笑いと健康トーク】 「笑いと健康と食」~人間栄養学の立場から、高齢者の健康を語る~
(東京大学名誉教授・医師 細谷憲政 聞き手:湖山医療福祉グループ代表 湖山泰成)
【研究発表I】 「高齢者施設利用者に対する笑い介入とその可能性」
(東京大学大学院薬学研究科客員助教 五十嵐中、東都医療大学副学長 五十嵐雅子 湖山医療福祉グループ代表 湖山泰成)
【研究発表II】 「発達障害児への笑わせ指導による実践研究」
(さいたま市教育相談センター所長 金子保)
【研究発表III】 「笑いによる血糖値の変化についての考察」
(海老名総合病院糖尿病センター・津久井赤十字病院内科 伊藤俊)
【研究発表IV】 「らく朝の健康バラエティ」
(落語家・表参道福澤クリニック院長 立川らく朝)
  2009年9月23日~27日の5日連続で、埼玉県草加市の認知症対応型特別養護老人ホームで実験が行われた。 入所者とデイサービス来訪者、スタッフ合わせて約30人に対して、食事時間終了後の約20~30分にわたり、 「ゆっくり」「馴染みある」「繰り返し」「語りを伴う音曲・動き」をキーワードとしてプロジェクター・スクリーンを利用して映像を流した。
  実験の目的は、次のとおり。

●「笑い」が認知症ケアにどのように貢献できるかを、実際に映像を見せることで把握する。
  ・認知症周辺症状への影響は?
  ・介護スタッフ・医療スタッフへのメリットは?
  ・映像を記録することのメリットは?
●「笑い」介入をどのように実施するか。
  ・笑い介入の意義に対する施設スタッフの理解
  ・笑わせるための努力、施設スタッフの協力
  ・会場設営・スタッフによる誘導(移動の自立が困難 身体的以外に認知不能)

  実験評価としては、実験中の映像を記録し、認知症専門医が評価、実験中の笑い度合と特徴的行動について、実験スタッフがアンケート用紙により評価、日常生活上の「できごと」について、調査用紙を作成し施設スタッフに記入依頼という方法をとった。
  映像記録に関して専門医からは、「平均への回帰」が見られたこと(攻撃的な人は穏やかに、抑うつの人は活発に)、ムードスタビライザー様の効果があることという評価結果が得られた。また、記録映像は、新たな診断手法という位置づけができるとの結果も見えた。集団による笑い介入により、個人に特有の変化が顕著に観察できる、N倍速での再生でも評価は可能で、症状判定や治療法の選択(薬剤等)が容易となる。ただし、従来のケアを置き換えるものではなく、笑いによるケアの質向上を図ることは可能である。
  アンケートからは、特徴的な事項なし、記入者によるバラツキ、QOLの視点からみた「覚えていない」ことの意味(客観的に効果はない? しかし上映中は大笑いしており、利用者の主観的満足度の向上はあった)が今後の課題ということがわかった。
  施設運営から見た可能性としては、介護能力の向上(イベント実施の意義の認識、認知症介護の記述の意義・記述能力の向上)、継続的なスタッフの意識開発、回想療法などが挙げられた。

  認知症への笑いの影響度の研究は緒についたばかりで、笑い介入の特殊性があり、今後の展望として、対照群確保の実験、笑い介入手法の開発、医療・介護従事者との連携(多様な医療・介護職種の視点)、生体情報計測による実証(問題点と解決策)を指摘。
  通常の研究では、エビデンスをつくることが目的となるが、この研究は、エビデンスをつくり、伝えて、使ってもらうことを狙いとしている。特に施設側には負担は増えるが、どう理解してもらって導入のハードルを下げるのかが大きなポイントであると締めくくった。

  また、普通の学会とはちょっと異なる趣で、最後の研究発表では、落語家であり医師である立川らく朝さんの楽しい話、そしてギラレレ漫談・ぴろきさんの漫談に会場は笑いに包まれた。
  なお、らく朝さんが行う「らく朝の健康バラエティ 笑いと食とエクササイズ」が2009年11月19日(木)に江東区文化センターホールで開催される (http://home.j01.itscom.net/rakuchou/)。

バックナンバー
▼ 介護経営マネジメントの重要性(2009.12)
▼ 第16回ヘルスリサーチフォーラム(2009.11)
▼ 「笑い」が「健康」に効果があることを実証研究(2009.10)
▼ 多職種連携へのパラダイムシフトを!!(2009.4)
▼ 出現を切望!!現代の坂本龍馬(2009.1)
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