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Nutrition Report-栄養士が作り出す新たな活動の場のために
安達美佐氏    9月18日(金)、「新しい活動の場を探している栄養士のための講座vol.1」と題するセミナーが横浜で開催された。テーマは、「在宅での栄養ケアに関わる訪問栄養食事指導の始め方とその実際」。主催は、栄養サポートネットワーク合同会社(http://www.nutrisupport.co.jp/)、講師は同社代表の安達美佐氏。安達氏については、弊社『ヘルスケア・レストラン』で開業栄養士の活動として取材記事にし、本サイトにおいても開業栄養士を目指す人へ向けた提言を掲載した。
活動するのは「個人」である
   管理栄養士の活動の場は、病院や高齢者施設だけではないことは当然知られている。開業栄養士への関心も急速に高まっていると言われる。しかし、実際にどのようにしていったらいいのかわからないというのが、多くの人たちの率直な感想だ。会社を設立し、経営マネジメントをしなければならない、そんなイメージがあるが、安達氏は「必ずしも法人を立ち上げなくてもかまわない。行うのは個人である」と、セミナー参加者からの質問に答えた。訪問栄養指導の実施は、あくまで、医療機関と栄養士個人の関係に基づくものである。
ニーズを顕在化させることが必要
   今回は、在宅での訪問栄養指導がテーマで、視点がユニークだった。「栄養士としての専門スキルは二の次」・・・専門スキルについては様々な研究会等で講演が行われているが、実は、そのスキルだけ知っていても、実際の活動には全く結びつかないという。「訪問栄養食事指導に出向く前にやらなければならないことがある」と、安達氏は強調した。すべてお膳立てができていれば、そこに乗るだけで専門スキルは生きるが、新たな活動の場を探したとき、訪問栄養食事指導はそう簡単に行えないのが実情だ。

   「潜在的なニーズは少なくないかもしれないが、顕在的なニーズは『ごくわずか』である。一番多く発信してくれるケアマネジャーといえども全体の『ごく一部の方々』である。医師からのニーズは『ごくごくわずか』である。なぜなのか。それを解決しなければ栄養士が在宅における栄養ケアに関わることは無理。栄養士自らがマネジメントしなければ、在宅における栄養ケアは発展しない」(安達氏)
 これが根底にあって、では何をすればいいのか、ということになる。安達氏は、「こうしたことを指摘し、教えてくれる機会はこれまでなかったのではないか」と、自身の経験等を踏まえて、「訪問栄養食事指導に出向く前にやらなければならないこと」として次の5つを挙げた。

  1 訪問栄養食事指導の実施形態を知る
  2 訪問栄養食事指導の関連法規を知る
  3 介護保険の仕組みを知る
  4 ニーズを探り出す戦略を考える
  5 連携する職種と円滑にコミュニケーションを図るための工夫を知る

   それぞれについての説明が簡潔にされていったが、制度システムや法律をきちんと把握し、それを自分で全て説明できなければならないことが、最大のポイントだと指摘する。在宅ケアには多くの職種が関わっている。その中で訪問栄養食事指導を導入していくには、管理栄養士自らがそのニーズを顕在化させていかなければならない。特に主治医は、ほとんど内容を知らないと言ってもいい。ケアマネジャーでも詳細まで知っている人は少ないだろう。多職種協働での上手なマネジメントが求められているのである。

   依頼が発生しなければ仕事は始まらない。まずは、栄養士がここにいるという存在を知ってもらうことに積極的に動くことが必要。そして、あらゆることを自ら説明し、関係者を動かす。主治医の指示がなければスタートできない。自分がやりたいといったスタンスを前面に出すのはマイナス。家族が望んでいるといったことをケアマネジャーから提案してもらうとスムーズだという。ここまでの行動ができて、ようやく専門スキルを生かすことができる。といっても、自分1人で進めてしまうわけにはいかない。関係職種と連携をとり、対象者の情報取得、関係職種への報告、サービス担当者会議への出席など、多職種との関わりが非常に重要となる。モニタリングによる評価・修正・補正は当然のことだが、栄養ケア計画に定めた期間内で達成可能な目標を立て、まず結果を出すことが大切である。結果が出なければ次につながっていかないのは当然のことだろう。
相手の望むことに応える姿勢を持つ
   管理栄養士の活動する場は今後、広がりを見せていくだろう。広がりを作っていくのは、他ならぬ管理栄養士自身である。ただ待っているだけでは、様々なニーズは生まれてこない。社会や地域の中で何が求められているのか、また新たなニーズは何か、それを真剣に模索し、積極的に行動していくことが望まれる。そのとき、法人であるか個人であるかは、自分と相談してみればいい。情報交換や連携という意味が強いが、一人という孤独感に陥らないためにも多くの人とのネットワークを作っていきたいものだ。いずれにしても、根底に、何よりも相手の望むことに応えていくという姿勢を持ち続ければ、道は開けてくるに違いない。
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